親戚のオジサンだった藤原宣孝とついに結婚したまひろ。宣孝のというか、演じる佐々木蔵之介さんの大人の色気に予想外にぐっと来てしまった管理人です。
また、道長と面会する口実をとりつけて、さりげなくまひろの夫は自分だよん!とマウントをとった宣孝のエッヘン顔と、道長とのなんともいえない緊張感のあるやりとりは秀逸でした。
まひろの結婚は「恋愛と結婚は別」の典型例
まひろと三郎(道長)は子ども時代に知り合い、始めはお互い身分を明かさずにいました。母の死をきっかけに会えなくなってしまった道長と、やがて母を殺した仇である藤原道兼の実弟として再会します。
二人とも貴族ではありますが身分には違いがあり、そして因縁の家族であることを乗り越えて、二人は惹かれ合います。この辺は「ロミオとジュリエット」的な設定ですが、注意すべきは史実ではないという点です。いや、事実だった可能性はゼロではないですが、証拠はありません。
わかりませんが、このドラマの恋愛の側面は、【身分違い】【好きになってはいけない相手】【結婚を周りに反対されるであろう相手】【反対を押し切って結婚しても幸せになれないだろう相手】とフラグ立ちまくりなわけです。
しかし、それでも一夫多妻が許されていた時代、まひろは道長の「妾」になることはできました。道長は妾であろうと自分が一番まひろを大切にすればいいと考えましたが、まひろは許せませんでした。
それなのに、まひろは20歳以上も年上で正妻もいる宣孝の「妾」になるのです。不思議なことに宣孝との会話では「妾」ではなく「妻」と言っていて、宣孝に正妻始め複数の妻がいることは分かりますが、道長のときとは嫌悪感がかなり和らいでいます。
一旦別れてからまひろは、心では道長の妾でもいいから結婚したいと思うわけですが、既に道長は違う方を向いてしまいました。道長を好きであるゆえに妾でもそばにいたかったのです。つまり宣孝に対し、自分を丸ごと受け入れてくれる懐の深い相手、望まれた相手として受け入れるとはいえ、自分の方から好きになったのではないため、妾になることにこだわりがなかったとも言えます。
紫式部が宣孝と結婚したことは事実のため、結婚した経緯、また道長との関係を「光る君へ」の脚本家、大石静はこのように解釈しているわけです。
まひろが結婚で得たもの、新婚生活は?
ずばり、まずは家の安定です。当時は結婚で実家の面倒まで見てもらうことになっていました。まひろの父は長らく無官で清貧でしたから、まひろは書き物の紙はもちろん、お金にも困っていたはずです。
宣孝の妻の一人になったことにより、家は豊かになりました。
そして、世間体のようなものも、結婚したことで落ち着いたはずです。それはまひろの心も安定させたでしょう。ききょう(清少納言)は結婚生活を捨てて宮仕えに生きがいを見出し、既に定子にすべてを捧げて支えることを選んでいます。友人のさわも結婚し、しかし病で亡くなってしまいました。
結婚もせず、いつ死ぬか分からない世の中で、生きがいもない自分にまひろは焦りを感じていました。知性も教養も優れているのに自己を発揮できていないまひろを見て、宣孝は手を差し伸べたのかもしれません。
まとめ:明日、第26回の放送
まひろの新婚生活が描かれます。一方で、都には不穏な天災や凶事が起こり、道長は体調も崩すようになります。
ドラマのスケジュールは折り返しを過ぎたはずですが、まだ源氏物語は遠く、宮中に紫式部はいません。一条天皇をはじめとする、内裏の動きも必見ですね!
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